
アルミは、DIYで一番扱いやすい金属のひとつです。
軽くて、やわらかくて、錆びにくい。 小さな板ならホームセンターでも手に入ります。
ただ、いざ作業すると 「曲げたら割れた」「穴あけでバリだらけになった」 ということも起こります。
この記事では、アルミ板を使ったDIYの基本を 「曲げる・穴をあける・仕上げる」 を中心に、 初心者向けにやさしくまとめました。
切断(カット)は道具と注意点が多いので、専用記事に詳しくまとめています。 この記事の後半でリンクします。
アルミがDIYに向いている理由
- 軽い(同じ大きさなら鉄の約3分の1の重さ)
- やわらかく、加工しやすい
- 錆びにくい(表面に保護の膜ができる)
- 小さな板ならホームセンターで買える
ただし「やわらかい=なんでも簡単」ではありません。
やわらかいぶん、傷・変形・バリ(ささくれ)が出やすい金属でもあります。
だからこそ、ちょっとしたコツを知っておくと仕上がりが大きく変わります。
| 作業 | DIYでできる目安 | プロ(業者)向き |
|---|---|---|
| カット(切断) | 薄板の直線カット | 厚板・精密カット・大きな寸法 |
| 曲げ | 薄板の簡単な曲げ | 正確な角度・連続曲げ・硬い材 |
| 穴あけ | 一般的なサイズの穴あけ | 位置精度が厳しい多数穴 |
| 仕上げ | バリ取り・磨き | アルマイト等の表面処理 |
| 接合 | ボルト・リベット留め | 溶接(アルミ溶接は難度高) |
アルミ板を「曲げる」基本
アルミDIYで一番つまずきやすいのが、曲げです。
ポイントはこの4つ。
- 薄い板(1〜2mm)は、当て木と万力(バイス)があれば曲げられる
- 曲げたい線を、先に「ケガキ」(印つけ)しておく
- 角は 一発で曲げる。やり直すと、そこから割れやすい
- 曲げの内側のカーブ(曲げR)は 板の厚み以上 を目安に
アルミは、一度曲げて元に戻すと、その部分から弱くなります。
位置をしっかり決めてから、一回で曲げる。 これが失敗しないコツです。
なお、アルミ「パイプ」の曲げは、板とはコツが違います。 パイプを曲げたい方はこちらが参考になります。
📝「パイプ曲げ加工はDIYでどこまでできる?失敗しないための方法・工具・素材別の判断基準」
アルミに「穴をあける」基本
穴あけは、下準備で仕上がりが決まります。
- 先に ポンチ で小さなくぼみをつける → ドリルが滑らない
- ドリルは 中〜低速 で回す(高速はバリと食いつきの原因)
- アルミは刃に金属がこびりつきやすいので、潤滑油を少しつけるときれいに開く
- 穴のフチに出たバリは、面取り(軽くヤスリ)で取る
薄い板に大きな穴をあけるときは、 いきなり大きいドリルを使わず、小さい穴から段階的に広げると失敗しにくいです。
アルミを「切る」なら(※詳しくは別記事へ)
切断は、厚みごとに向いている道具が変わり、注意点も多めです。
そのため、専用記事に切り分けてまとめています。
ここでは要点だけ。
- 薄い板:金切りバサミ/ジグソー(金属用の刃)で切れる
- まっすぐ・厚い板:自分で切るより、プロのほうが速くてきれい
厚み別の工具選び、ホームセンターでの対応範囲、失敗しないコツは、こちらにまとめています。
📝「アルミのカット・切断方法まとめ|DIYでできる工具・ホームセンターの対応範囲・業者依頼の判断基準」
仕上げ(バリ取り・エッジ処理)
切ったり穴をあけたあとのフチは、思った以上に鋭くなっています。
ここを整えるだけで、作品の完成度と安全性が上がります。
- まずバリ取り(フチのささくれを落とす)
- ヤスリやサンドペーパーで角をならす
- 番手は粗い順に。例:#240 → #400 → #600 と細かくしていく
ピカピカに磨きたいときは、さらに細かい番手やコンパウンドを使います。
安全と道具(最低限これだけは)
金属加工は、ケガのリスクがあります。 最低限、次の3つは守ってください。
- 保護メガネ:切り粉が目に入るのを防ぐ
- 手袋:切断面・バリは鋭い
- しっかり固定:クランプや万力で材料を固定してから作業する
固定が甘いと、材料が動いてケガや失敗につながります。
DIYで揃えておきたい工具や、ホームセンターで買える道具については、こちらにまとめています。
📝「金属加工DIYに必要な工具は?ホームセンターで揃う道具とプロに頼むべき作業」】
📦 ホームセンターで断られた・自分では難しそうなアルミ加工は、こちらからご相談ください。
東京都大田区の工場を構える金属加工会社・金具屋は、全国から郵送でのお持ち込みに対応しています。
「できるかどうか分からない」という段階からの相談もOKです。
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よくある失敗と対処
- 切断面がギザギザ → バリ取り+ヤスリで整える。切断のコツは67159へ
- 曲げたら割れた → 曲げのカーブが急すぎ、または硬い材。曲げRを板厚以上に
- 全体が反った・変形した → 力のかけすぎ/固定不足。薄い板ほど慎重に
「これはちょっと難しそう」と感じたら、無理に進めず相談するのも手です。
よくある質問(FAQ)
Q. アルミを切る道具は何が必要ですか?
A. 薄い板なら、金属用ノコギリ・金切りバサミ・ジグソー(金属用の刃)で切れます。厚み別の工具や選び方は、切断の専用記事(67159)に詳しくまとめています。
Q. 初心者でもアルミ加工はできますか?
A. 曲げ・穴あけ・バリ取りなら、初心者でも十分可能です。まずは小さな板で練習し、寸法の精度が必要なものはプロに頼むと安心です。
Q. どのアルミ板を買えばいいですか?
A. ホームセンターのアルミ板は、やわらかく曲げやすい汎用タイプが中心です。強度や寸法精度が必要な場合は「材質指定」が必要になります(このあと専門編で解説)。
Q. 自分では難しい加工はどれですか?
A. 厚板の精密カット、正確な角度の曲げ、溶接、アルマイトなどの表面処理はプロ向きです。判断に迷うときは、写真を送っていただければ対応可否をお答えします。
ここからは少し専門的な話になります(法人・業者の方向け)
ここからは、材質指定や図面での発注を前提にした内容です。 個人のDIYでは読み飛ばしていただいて構いません。
主なアルミ材と加工性
| 材質 | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| A1050(純アルミ系) | やわらかく曲げやすい/強度は低め | 深絞り・曲げ中心の加工 |
| A5052 | 強度と加工性のバランスが良い汎用材 | 板金全般(最も使われる) |
| A5083 | 高強度・高耐食 | 溶接構造物 |
| A2017/A2024(ジュラルミン) | 高強度/曲げ・耐食はやや不利 | 切削加工・機械部品 |
| A6063 | 押出形材(アングル・パイプ等) | フレーム・構造材 |
曲げ・公差のポイント
- 圧延方向に対して直角に曲げると、割れにくくなります
- 曲げRは板厚と材質で設定(硬質材ほど大きめのRが必要)
- 角度公差・展開寸法・曲げ順序は図面で指定いただけると、仕上がりが安定します
ご依頼事例(例)
- A5052 t2.0 のブラケットを、図面どおりに曲げ+穴あけ(小ロット試作)
- A5083 の溶接構造物の試作対応
- 図面がない場合も、現物+手書きスケッチ+用途のヒアリングから製作
ロット・持ち込み
会社によって様々です。最低ロットや持ち込みに関しての制限がある場合もあるので、事前に確認が必要です。
弊社では1個の試作から小ロットまで対応します。 東京都大田区の工場ですが、全国から郵送での持ち込みに対応しています。
ホームセンターや他社様で断られた加工、自分では難しい寸法精度のものも、まずはご相談ください。
📝金属加工の持ち込みはホームセンターでできる?個人向け対応範囲
まとめ
アルミDIYは、「曲げ・穴あけ・仕上げ」の基本を押さえれば、初心者でも十分楽しめます。
- 曲げは一発勝負。曲げRは板厚以上
- 穴あけはポンチ+中低速+潤滑
- 切断の詳しいやり方は67159へ
- 精度・溶接・厚板はプロに任せると安心
「これは自分では無理かも」と思ったら、写真1枚から相談できます。
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